グリーンカード申請に際して提出した書類

今回、一連のグリーンカード申請書類の作成、申請業務は会社が委託している法律事務所が行ってくれました。以下はその法律事務所から要求され、こちらから法律事務所へ提出した書類の一覧になります。

PERM

実際にはEB1-Cのカテゴリーにて申請したためPERMはスキップしており、以下の書類は提出したものの、PERM自体は行いませんでした。

  • 法律事務所が用意したquestonnaireに答える。どの程度の内容かは記録しておかなかったので不明
  • Diploma and transcripts and/or markshhets of the course work for any post-secondary education. – 大学の卒業証明書および成績証明書、英文にて。これはL-1 VISAを取得する際にも準備したが、大学側に英文での作成を依頼すれば英文で作成してくれる。
  • Most resent Employee-Based resume – 英文のレジュメは定期的に更新していたので、ここ1年くらいの仕事の内容を付け加えてアップデートした。レジュメが必要になる時は大抵急ぎなので、定期的にアップデートしておくことをお勧めします。
  • Copies of any prior experience/skills verification letters you already process – L-1 VISAの申請書類に添付した会社側で作成してくれたsupport documentを提出。最新のL-1 VISA更新の申請は2018年9月だったので、5ヶ月くらい前に作成してもらったもの。

I-140

I-140は自分を就労させようとする会社内のポジションに対してアメリカ労働局から承認をとるための申請。なので、基本的には会社の人事が法律事務所に諸々の書類を提出して準備を進めていた。具体的に自分が入るポジションの内容とかは会社の方が詳しく資料を作っていたはず。法律事務所の方から自分の方にリクエストされたのは以下の3点。

  • Copy of the organization chart showing your previous direct report – 日本でASIA全体のSE Directorとして働いていた際の組織図を自分にDirect Reportだった日本、Korea、Singapore、ChinaのSEの名前を入れて作成。
  • Documentation relating to your five direct reports, such as degrees/resumes, performance evaluations etc. – 上の組織図で自分へのDirect Reportと書いた5人のSEが、十分なスキル、学歴を持った上で働いていたという記録を示すもの。必ずしも最新のresumeである必要はなく、それらの人たちのスキルを確認することが目的なので、過去のresumeでも良いということだった。まだその中には同じ会社で今も働いている同僚もいれば、転職してしまった人もいる。自分が採用に関わった際にはresumeをもらっているので、過去の資料、メールを引っ張り出してきてそれらを探し出した。それ以外は急遽コンタクトして彼らのresumeを1、2日の間に送ってもらった。Performance Reviewの記録も頑張って過去のメールやバックアップファイルから探し出した。
  • Copy of your three most recent paystubs – これは手元にあるので、すぐに提出。

I-140については途中でRFE (Request For Evidence)が来たが、これは会社側で対応。こちらで何か追加で提出した書類はなし。

I-485、I-765、I-131

I-485はVISAのステータスからPermanent Resident (永住)への変更申請。I-765はグリーンカード申請中の就労許可申請。I-131は審査期間中に国外に出てもいいことを示す書類。これら3つの申請は自分と妻の分をまとめて申請するので、基本的に同じ書類を二人とも提出した。Credit Score、Credit Reportは最初は共同口座なので自分の分だけで良いと思っていたが、これも別々に必要となって妻の分も追加で提出した。

  • 法律事務所が用意したquestonnaireに答える。全部で434項目。氏名、生年月日から始まって家族関係、過去の職業、過去に住んだ住所、犯罪歴等。
  • 写真
  • 出生証明書 – 日本だと戸籍謄本がこれに該当。日本語の戸籍謄本を取得して、英語に翻訳。これは自分で翻訳を作成した。
  • Marriage Certificate – 今回、妻の分も同時に申請するので、結婚の証明が必要となる。同じく日本だと戸籍謄本がこれに該当。戸籍謄本と英語への翻訳を提出。
  • 21才以下の扶養家族がいて、同時に申請する場合には、扶養家族に対して50%以上の生活費を負担していることを証明する書類。今回は同時申請はしないので、これは無し。
  • 健康保険加入の証明 – 加入している健康保険のCertificateとPolicy Documentを提出。1095-Bを提出するケースも多い様だが、これら二つで事が足りた。
  • 教育、スキルを証明する書類
    • 大学卒業証明書、成績証明書
    • 取得した資格の証明書。これは多いほど良いのであれば全部出して欲しいと言われた。日本で取っていた4つの資格に関して提出
    • 英語の教育を受けた証明。大学の教養課程で履修した英語のクラスもこれに該当するので、大学の成績証明書で良いと言われた。
  • 現在のVISA
  • 現在のI-797もしくはI-129S – L-1 VISAの添付書類であるI-129Sを提出
  • 最新のI-94
  • 過去のVISAおよび添付書類 – これまでのVISAのコピとI-797、I-129Sを提出
  • Passportのコピー – 全ページ
  • VISAで入国して以来の過去の全入出国記録 – 基本的にはI-94のサイトに行って、過去の記録をダウンロードすれば事足りるであるが、アメリカから陸路でメキシコやカナダに行った場合には、それらはI-94の履歴には残らない。この部分はPassportの入出国スタンプで証拠を補った。また飛行機で出国しても記録に残っていない箇所があり、これはBoarding Passの半券と日本への入国スタンプで証明。ということでVISA、グリーンカード を今後取ろうと思う人はBoarding Passは全て保管しておいた方いいです。
  • 収入の証明
    • 過去3年間のW-2 (日本で源泉徴収票にあたるもの)とForm 1040 Federal Tax Return documents。真面目に毎年Tax ReturnをFilingしていればあるはず。
    • 会社からのOffer Letter
    • 最新のPay Slip
    • IRS Tax Transcriptのコピー – これはIRSのサイトに行って、自分のSSN他の情報を入力すると作成される。これをダウンロードして送付。
  • Credit ScoreおよびCredit Report – これはアメリカ独特の文化かもしれないが、過去にクレジットカードの支払い記録や、その記録に基づくスコアというのをEquifax、Experian、TransUnionというようなCredit Reporting会社 (信用調査会社)が提供してくれる。支払いの遅延があったり、残高が多かったりするとスコアは低くなる。上の会社のサイトで無料で作成してくれるので、それを取得して提出。(これは後の住宅ローン契約の際にはもっと利用した。)
  • 資産の内容
    • 過去12ヶ月の銀行口座のStatement
    • Stock Optionの取得および行使の記録
    • 他にも資産、収入があれば内容を提出することとあったが、日本で持っているマンションに関しては法律事務所の担当と相談して、それは必要ないということになった。

I-693

申請に必要なのは健康診断の結果であり、ここに書いたのは健康診断を受ける際に持って行った書類。

  • I-693 Form。これは本人が記載する項目、氏名、住所等のみ記載。あとは医師の方で書く項目。このFormが医師が作成するI-693になり、もらう時は封筒に入って封印されている。
  • 母子手帳の予防接種欄のコピー
  • 母子手帳に予防接種記録の英文翻訳。子供の時の記録なので、どこまで有効だったのかは不明。でも、最終的にはグリーンカード申請時に接種を受けていなければならないワクチンのリストがあって、それに対して我々は2つ足りないと言われ、その場でワクチン接種を受けた。受けたのは tetanus (破傷風) と hepatitis (肝炎)。
  • 人間ドックの結果 (念のため)

グリーンカード取得のタイムライン

マイルストーン

まずは大まかな流れから

2020年4月15日 申請作業をしてくれる法律事務所から連絡があり申請書類作成を始める
2020年5月13日 I-140提出
2020年6月12日 I-693作成のための健康診断
2020年6月29日 I-485、I-765、I-131、I-693を提出
2020年8月11日 Biometric Registration、つまり指紋採取と写真撮影
2020年10月9日 I-140に対する追加資料要求 (RFE)
2020年10月19日 I-140に対するRequest for Evidenceの請求があった
2020年11月5日 現在のL-1 VISAがこの日をもって終了。仕事はできないがアメリカには滞在できる。ただしEAD/APが来るまでは出国はできない。
2020年12月末 有給休暇を使い果たし、以降は休職
2021年1月27日 I-485審査が別のオフィスに転送された
2021年2月27日 I-140のRFEに対する追加書類を提出
2021年3月4日 I-140承認
2021年4月24日 EAD Cardが届いた
2021年5月1日 仕事に復帰、同時にUS本社へ転籍
2021年6月5日 日本へ一時帰国
2021年7月6日 USへ戻る
2021年7月17日 グリーンカードが届いた

申請準備開始から1年3ヶ月、申請後、1年と3週間でグリーン取得、というスケジュールだった。

タイムライン詳細

お時間のある方は以下の詳細もどうぞ。

2020年4月15日 会社がImmigration関連の申請を委託している法律事務所からI-140という書類を作成するので、諸々書類を送って欲しいという連絡があった。グリーンカード取得の経緯の方に書いたが、グリーンカード取得の申請カテゴリをEB1-C (Multinational Executives and Managers) で行うという方針になったため、PERMはスキップして、いきなりI-140の申請になる。

2020年5月1日 法律事務所からI-485 Adjast Statusの申請書類を作成するための最初のステップとしてquestionnaireへ回答を記入、および必要な書類の提出をして欲しいというリクエストが来た。questionnaireはその法律事務所のサイトにあるフォームにチェック、回答を入れていく作業だが、全体で200項目くらいの質問だったと記憶している。

この後、questionnaireの回答がそれでいいのか、提出する書類は、自分が考えているのはこれだけれどもそれで問題ないかというようなやりとりが何往復も続いた。

尚、I-140は会社が自分のポジションを用意するための申請なので、あくまで提出する書類は自分に関するもののみであったが、I-485は配偶者も同時に同じ資格で申請ができるため、ここからの申請作業、資料作成作業は二人分同時に進行した。例えばquestionnaireも二人別々に回答してった。

2020年5月6日 I-140申請書類作成のためにリクエストされた書類を法律事務所に提出。

2020年5月7日 I-140申請書類作成に関して、追加の資料の送付を依頼された。これはMultinational Managersであったことを詳しく説明する資料として、実際に自分の部下になっていた社員のResumeとPerformance Reviewを行った記録を提出した欲しいというものだった。具体的にはASIAのSE Managerであった際には自分にreportというSEが5人いたので、彼らのResumeとPerformance Reviewの記録を出すということになる。まだ同じ会社で働いている同僚もいれば、転職してしまった人もいる。必ずしも最新のresumeである必要はなく、それらの人たちが十分なスキルを持って働いていたということが示すのが目的なので、過去のresumeでも良いということだった。自分が採用に関わった際にはresumeをもらっているので、過去の資料、メールを引っ張り出してきてそれらを探し出した。それ以外は急遽コンタクトして彼らのresumeを1、2日の間に送ってもらった。Performance Reviewの記録も頑張って過去のメールやバックアップファイルから探し出した。

2020年5月11日 I-140の申請用で依頼されていた追加資料を全て提出。

2020年5月13日 法律事務所がI-140提出資料を完成させ、I-140を提出、Filingした。

We received your Form I-140, Immigrant Petition for Alien Worker.

2020年5月13日 法律事務所から来ていたI-485申請書類作成のためのquestionnaireの回答完成、提出。

2020年5月15日 会社のHRから法律事務所へ出されるべきレターが必要で、それをHRへ依頼。翌日、提出された。

2020年5月16日 日本で取っていた資格の証明書も申請書類に含めるということで、それを日本からpdfで送ってもらった。具体的には日本にいる妻の妹夫婦にお願いし、我々の日本の留守宅へ行って探し出してもらいScanしてpdfで送ってもらうという作業。テレビ電話でありそうな場所を映してもらって、こちらから指示を出して探してもらった。

2020年5月20日 法律事務所にてI-485、I-765、I-131の申請書類のDraftが完成した。Reviewのために送られてきて問題ないことを確認。

2020年5月22日 I-485申請時に同時にI-693という健康診断結果も提出したいので、そのI-693用の健康診断をしてもらえるクリニックに予約を取って欲しいという依頼が入った。他の人がグリーンカード取得をした際の話をブログに書いているものとかを見るとI-683は最後の面接時に提出している場合が多い。が、I-485申請時に提出もできるようなので、今回は法律事務所の指示通り健康診断を受けてI-693を準備することにした。I-693取得のための健康診断はUSCIS (移民局)が認定した指定の医療機関でないとできない。近所にそれなりの数があるので、探して予約は問題なかった。

2020年5月25日 健康診断に行く際にこれまで接種したワクチンの記録を持ってゆくことという条件があった。日本の場合はワクチン接種の公的な記録は子供の時の母子手帳になる。急遽、これを日本から送ってもらうことにした。自分、妻の母子手帳はそれぞれ実家で持っている。それを妻の妹夫婦のところに送ってもらい、そこから大急ぎFedExで送ってもらった。

2020年5月26日 5月20日のDraftのReview後に追加でリクエストされた資料があり、それを提出した。追加で要求されたのは妻の分のCredit Report。クレジットカードは最初に自分が作ったものに妻をAuthorized Userとして加えているので実態は同じカードアカウントになる。それでも必要とのこと。無料でCredit Reportを発効してくれるサイトに今度は妻の名前、SSNで登録して妻の分のCredit Reportを取得した。それを法律事務所に提出。

2020年5月27日 日本からFedEdで母子手帳が届いた。ワクチン接種記録のページをScanして法律事務所へ送付。今回は法律事務所側からCertified Translaterに翻訳を依頼して英文ドキュメントを作ってもらうことになっている。

2020年6月2日 法律事務所の方でグリーンカードの申請書類が完成し、それら一式が送られてきた。それらにサインをして、FedExで法律事務所へ返送。写真(6枚づつ)も送付しなければならなかったので、それらも同梱した。すぐに申請するのかと思ったらI-693という健康診断結果をもらってそれも一緒にして申請するらしい。既に健康診断のアポイントは取っていたが、その後の申請になる。

2020年6月5日 母子手帳のワクチン接種記録のページをCertified Translaterに翻訳してもらった英文書類が法律事務所に送付された。法律事務所からそのコピーをもらった。

2020年6月12日 I-693取得のための健康診断。予約を取っていった先はどうやら、このような移民関係の健康診断を専門でやっているクリニックで、他にも同じ目的で健康診断に来ている人が複数いた。ほとんどがインド系。

2020年6月15日 健康診断に行ったクリニックにてI-693が出来上がったので取りに行った。受領して即FedExで法律事務所へ送付。

2020年6月19日 グリーンカードの申請書類を提出した。具体的にはI-485、I-765、I-131を提出。Case Status上の記載は以下の通り。

We received your Form I-485, Application to Register Permanent Residence or Adjust Status.

I-485はAdjust Status、つまり現在のVISAの状態からPermanent Residentへの変更の申請、I-765は申請からグリーンカードが発行されるまでの間の繋ぎの就労許可(EAD – Employment Authorization Document) の申請、I-131はAdvance Paroleというグリーンカード申請後、審査中の状態においてアメリカを出国し、再入国することを可能にする申請。グリーンカードの承認には少なくとも1年を要すため、その間にVISAが切れるケースが多い。そのため先に繋ぎの就労許可を同時に申請する。またグリーンカード申請時は原則はアメリカに留まらねばならないものを、出国、再入国を可能にするのがAdvance Parole。これを取得しないで出国すると、グリーンカード の申請を取り下げたという扱いがあるので、ある意味必須。(通常、この就労許可とAdvance Paroleは2ヶ月から4ヶ月で発行される。自分の申請時は異例で、ものすごく時間がかかったが。)

2020年6月25日 Finger printを取るための手数料を受領したと言うStatus Updateがあった。自分では払ってなくて法律事務所の方でやった作業のはず。

We accepted the fingerprint fee for your Form I-485, Application to Register Permanent Residence or Adjust Status. Our National Benefits Center location is working on your case.

2020年8月11日 Biometric Registration、つまり指紋採取に行ってきた。Napervilleにも小さいながらもUSCISのオフィスがあり、そこに出掛けた。指紋だけかと思ったら写真も撮られた。写真を撮った際にPCをちらっと覗いて、自分の写真を見たが、犯罪者のプロファイル写真のように凄い変な顔だった。あとで、この写真がEAD Card、Greencardの実際のカードに貼り付けられる顔写真になることを知った。ちゃんと写真を撮ればよかったと後悔している。

2020年8月12日 Finger printの取得が完了したというStatusになった。

The fingerprints relating to your Form I-485 Application to Register Permanent Residence or Adjust Status, were taken.Your Case Status: Card/ Document Production

2020年10月9日 I-140の申請に対してRFE (Request For Evidence)の請求があった。追加資料の請求であるが、I-140は個人に対するものではなく会社がグリーンカード を申請しようとしている人を採用するポジションを承認するものなので、会社側で全て対応する必要がある内容となる。

We sent a request for additional evidence for your Form I-140, Immigrant Petition for Alien Worker.

2020年11月5日 L-1 VISAの有効期間が終了。既にグリーンカードの申請が受理されているので、アメリカに滞在していることは違法ではないが、この後は就労はできないという状況に入った。次に働き始める時にはUS本社側に転籍していて、日本法人所属で持っていた有給休暇は引き継がれない。まずは有給休暇を使っての休暇に入る。

この就労できない状況というのは結構条件が厳しく、会社のHRからは「メールシステムにも一切アクセスしては行けない、イントラネットにもアクセスしてはいけない。これらのアクセス記録が残ると就労許可がないのに就労したという違法状態になり、発覚したらグリーンカードの審査にも影響する。」と厳しく言われた。なので、11月5日の夜で仕事用PCは封印。iPhoneからも間違ってアクセスしないように、設定していた仕事メールアカウントは削除しMicrosoft Teamのチャットアプリは削除した。

2020年11月5日 VISA終了の翌日からオーロラを見るためにアラスカに旅行に出掛けた。アメリカ国内の旅行であれば問題はない。オーロラ は行けば見られるわけではなく、晴れていなければならないし、太陽の活動がそれなりに活発でなければならないし、短い日程での旅行には向かない。今回は幸い長く滞在でき、場合によっては延長もできるので、今回しかないかと出掛けた。実際途中で1週間延長してようやくオーロラが見られた。

2020年11月末から12月 アラスカ旅行から帰ってきてThanksgiving、Christmasと楽しいHoliday Seasonに入った。COVID-19でクリスマスコンサート等のイベントはほぼ全てキャンセル、レストランもテイクアウトのみという状況になり、ひたすら家で過ごすHoliday Seasonとなった。作り始めたものの途中で終わっていた鉄道模型NゲージでのNaperville Stationを作るなら今しかないと思い、作りかけの駅を引っ張り出してきて工作再開。クリスマスの日までにはそれなりの形にして、さらに線路をつなげクリスマスツリーの周りをNゲージの列車が走るレイアウトを作った。

2020年12月末 有給休暇を使い果たし、この後は本当に休職扱いになった。

2021年1月 Nゲージのレイアウトを制御するのにC/C++の復習を兼ねてArduinoマイコンでDCCコントローラーを作り、パソコンから列車を制御するようにした。さらにもう一つのArduinoとリレーを組み合わせてポイントもPCから操作をする仕組みも作った。

2021年1月27日 I-485の審査作業が別の事務所の転送されたという通知があった。Case status のページには以下のように書かれている。

Your Form I-485, Application to Register Permanent Residence or Adjust Status, was transferred to another office for processing.

2021年1月28日 I-485 のStatus Updateがもう一つ届いた。
昨日のメールは別のオフィスに転送されたというもので、今日のものはそちらで処理がされるというもの。相変わらず、すぐにReviewされるのか不明。

We transferred your Form I-485, Application to Register Permanent Residence or Adjust Status, to another USCIS office that now has jurisdiction over your case.I-485 のStatus

2021年2月 遊んでばかりでもいけないのでUdemyというオンライン講座のサイトに登録し、C/C++、Pythonのクラスを取り始めた。1日の半分はこれら勉強にあてるようにした。

2021年2月17日 I-140に対してあったRFE (Request For Evidence)に対して会社から資料が提出された件がI-140のStatus Updateでわかった。これが提出されるまでI-140の審査はストップするので、早く出してほしいと思っていた。実際、年を越しても提出されていないのを知った時には正直焦った。もしDead Lineを過ぎてしまったら自動的に申請はRejectとなるということは調べてわかっていたので、そのDead Lineが本当は何日なのか気になっていた。実際には当初のDead Lineは90日で、さらにCOVID-19の特別対応で自動的に60日Dead Lineが延長されていたようなので、ギリギリというわけではなかった。自分が焦っても仕方ないのだが、逆に自分で手を下せないのでイライラした。

We received your response for Form I-140, Immigrant Petition for Alien Worker.

2021年3月4日 I-140が承認されたとの連絡があった。

On March 4, 2021, we approved your Form I-140, Immigrant Petition for Alien Worker, Receipt Number LINxxxxxxxxxx. We sent you an approval notice. 

2021年3月 中国SFの中の大作、「三体・地球往事三部作」の第3部 Death’s Endを英語で読んだ。5月末に日本語版が出るのを知り、では先に英語で読もうと奮起して、3月1ヶ月で600ページのPaperbackを読み切りました。英語で小説を読むのはまったく初めてではありませんが、ここまで集中して読んだのは初めてかもしれない。

2021年4月8日 あまりにもEADにかかる時間が長いので、法律事務所からUSCISへ状況確認の問い合わせをいれた返事が来たらしい。が、これに関して法律事務所からなんら内容は連絡が来なかったので、有益な情報は来なかったようだ。USCISのProcessing Timeのホームページでは、何日より前に申請した内容に関して通知がない件に関しては個別に問い合わせをしてもいいという仕組みが説明され、その申請日が書かれている。既にこの問い合わせをしてもいい日数レンジに入っているので問い合わせたわけだが、具体的な回答はなかったということだと思う。

On April 8, 2021, we sent a response to your inquiry about why your case is taking longer than our processing time, referral number SRxxxxxxxxxxxxxMSC.

2021年4月16日 いきなりEAD Cardの作成に入ったという連絡がUSCISから来た。先にI-765 Approvedとか来るかと思っていたのに、まず印刷に入ったという連絡とはびっくり。
この辺りでも、ほぼ毎日のようにUSCISでのEAD Processing Timeを見て、いつ頃になったら来るかの予想をしていた。自分は最近のEAD Processing Timeかの予想では6月かなと思っていたので、正直びっくりした。メールで来た内容は以下の通り。

Your Case Status: Card/ Document Production
On April 16, 2021, we ordered your new card for Receipt Number MSCxxxxxxxxxx, and will mail it to the address you gave us. If you move, go to www.uscis.gov/addresschange to give us your new mailing address.We approved your Form I-765, Application for Employment Authorization.

2021年4月19日 EAD Card作成の通知の3日後にI-765が承認されたとの通知があった。大急ぎで会社へ連絡。同時にこの通知で以って、就労、つまり仕事を再開できるかをHRに問い合わせた。回答はカードがこないといけない。通知だけではNG。もう数日待つことになった。

Your Case Status: Post Decision Activity 
On April 19, 2021, we approved your Form I765, APPLICATION FOR EMPLOYMENT AUTHORIZATION, Receipt Number MSCxxxxxxxxxx. We sent you an approval notice. We approved your Form I-765, Application for Employment Authorization.

同時にI-131の承認の通知もあった。I-765とI-131はセットなので、承認は同時。

On April 19, 2021, we approved your Form I131, APPLICATION FOR TRAVEL DOCUMENT, Receipt Number MSCxxxxxxxxxx. We sent you an approval notice.Your Case Status: Post Decision Activity 

2021年4月22日 EAD Cardが配達されたという通知。配達された先は申請業務をした法律事務所なので、会社とその法律事務所の担当者にすぐに連絡して、FedExで自分宛に送ってもらうように依頼した。

Your Case Status: Card/ Document Production 
On April 22, 2021, the Post Office delivered your new card for Receipt Number MSCxxxxxxxxxx, to the address that you gave us.

2021年4月23日 会社のHR担当者と法律事務所の担当者で急いで発送するためのやりとりをしていた。会社から翌日4月23日の土曜着でFedExで送るように指示が出た。

2021年4月24日 10時ごろにEAD Cradが届いた。FedExで受け取りサインが必要な便で送ると法律事務所の担当から連絡を受けていたが、実際は玄関先に置かれていた。ものすごく重要な書類なのだが、取られてしまいかねない方法での郵送って問題ないのか?一応、法律事務所の担当にクレームを入れた。
これでようやく仕事を再開できることになった。

届いたEAD CardはAdvanced Paroleとのコンボカードと呼ばれるもので、このカードを持っていることがグリーンカード審査中にアメリカから国外へ出て、再入国できることを示している。

2021年4月26日 月曜朝から仕事に復帰。EADは土曜日に届いているので、日曜からメールにアクセスしてもいいということを確認していたので、日曜にメールを復活させ、一気にメールをダウンロードした。

2021年6月5日 Advance Paroleを使って、日本に一時帰国をした。日本の滞在期間はちょうど1ヶ月。COVID-19のため入国後の2週間は自宅待機なので、外には出られなかったが、今回の一時帰国は日本のマンションを整理し、完全に片付けて売りに出すところまでをやるのが目的だったので、その2週間はひたすら家の中での片付けをした。残りの2週間で今度はアメリカへの引越し荷物を送るために海外引越業者とコンタクトをとり、最後は発送をし、さらにマンションの販売委託契約を不動産業者と結んだ。

2021年7月6日 アメリカへ戻る。Advanced Paroleでの入国は間違い無く別室審査と聞いていたが、その通り、別室送りになり45分くらい待たされていろいろ質問されての入国審査となった。一応、無事に入国。

2021年7月12日 グリーンカード発送の作成プロセスに入ったという通知が夜メールで来た。メールの内容は以下の通り。

On July 13, 2021, we approved your Form I485, APPLICATION TO REGISTER PERMANENT RESIDENCE OR ADJUST STATUS, Receipt Number MSCxxxxxxxxxx. We sent you an approval notice.

2021年7月13日 昨日に引き続き、USCISからメールが入った。
今度はちゃんと I-485 がApproveされたと書いてある。本来はこっちがカード作成の連絡よりも先に来るべきではないのかと思う。

On July 12, 2021, we ordered your new card for Receipt Number MSCxxxxxxxxxx, and will mail it to the address you gave us.

2021年7月15日 グリーンカード発送。実際には法律事務所へ発送されている。

2021年7月21日 グリーンカードが自宅に届いた

転籍のご挨拶

時の流れるのは早いもので、シカゴ郊外のNapervilleに来て8年と2ヶ月が経ちました。裏庭のレンギョウは来たときにはまだ高さもそんなになく、葉が茂っても先が見えてしまうスカスカなものでしたが、8年の間に自分の背丈を超え、立派な目隠しとしての存在感が出てきました。

その間、仕事はほとんど変わっていないものの、ここで自分としてはかなり大きな節目がありました。
実は、ここまで4月末までは日本支社(日本法人)の社員として、出向の形でこちらで働いてきましたが、この5月からUS本社へ転籍となり、正式にUS本社側の社員になりました。転籍と言っても会社組織は異なるので、4月末で日本法人の方は退社、今日、5月3日からUS本社に新入社員として働き始めました。(新入社員として、決まりとして新入社員の一連のトレーニングプログラムをオンラインで取らねばならないようです。)58歳と7ヶ月で新入社員とは、ちょっとおかしな気分です。
元々、日本で働いている最後の方で、商品戦略的に自分の得意でない分野に今後舵を切っていかねばならないという状況になった際に、「自分にはできない分野である」と上司に訴えたことがきっかけで、アメリカでのポジションをオファーされたのが始まりでした。その仕事がProduct Line Management、一般的にはProduct Marketingと呼ばれることが多いと思いますが、つまりは製品企画の部署で、ある意味、20年以上前に外資系通信企業に入った時点から一度はやってみたいと思っていた仕事でした。二つ返事でオファーを受け、翌年2013年3月にシカゴ郊外のオフィスに転勤してやってきました。当初2年の予定でしたが、うまい具合に、担当していたオーストラリアで大きな案件が取れて仕事が増え、こちらの非常に合理的な仕事の仕方が自分もとても気に入り、できるだけ長くいたいという気分になってきました。2014年春の時点で、当時かなり自身のキャリアも積んでいた 友松 利英子を、退職させてまで呼び寄せ、お互いにアメリカでの生活が気に入り、今に至っています。

仕事の面では非常にニッチな分野であるケーブルモデム、DOCSISという通信を日本にいる時と変わらずにずっと関わってきました。オーストラリアでの案件というのは、全てのインターネットユーザーをL2VPNでP2Pでネットワークに繋ぐという、これまで我々の分野ではどこもやったことのなかった方法で、そのために数十もの新機能を開発して実現させました。その仕様検討からど真ん中で関われたのは本当にやりがいのある経験でした。最近の組織変更で扱う製品がぐっと広がり、一方でもっと顧客よりの案件対応の仕事となったので、ここに来てやっぱり新しいことを沢山勉強しなければならないことになりました。
日本法人からの出向でのビザは昨年11月にて制度上の最長期間を使い切る形で終わりました。今の仕事をまだまだ続けたいという希望を会社も聞いてくれ、昨年は面倒な雇用ベースでのグリーンカードの申請も行ってくれました。このあとグリーンカードは100%保証はされていませんし、取れてるとしてもまだまだ先のことになります。が、ようやく就労許可は出て、転籍が叶いました。
2012年秋に自分の弱気な意見を聞いてくれ、相談に乗ってくれた多くの同僚や、今のポジションのオファーを取り付けてくれた当時のカントリーマネージャーに今、大変感謝する次第です。

実は、この就労許可が降りるまでの数ヶ月は実際には、なんら仕事ができないという休職中、自宅待機の状態が続いていました。COVID-19のために、US移民局の仕事が遅れに遅れました。その投稿を書いた際にはいつ就労許可が降りるか状況が見えない状況だったので、あまり大っぴらに書くことでもなく、SFの話題のおまけで書いた次第です。この就労許可が、グリーンカード申請中のUSへの再入国許可も兼ねているので、これでようやく日本へも行けることとなり、6月初めに一度帰る予定にしています。2週間の自宅待機プラス10日くらいの予定で帰り、溜まっている事務処理や家の整理をし、両両親に会ってこようと思っています。
コロナ禍の状況でどこまで人と会えるのか。それまでに少しでも良い方向に向かっていることを願っています。
以上、「なかなか帰ってこないけれども、どうしているのか?」「はい、まだまだNapervilleにいる予定です。」という報告でした。今後ともよろしくお願いいたします。

グリーンカード取得の経緯

2013年に最初にL-1 Visaを取得してアメリカに来て、2015年に更新。その際の更新で社内におけるUSでの仕事のAssignmentは2018年末まで延長することになりました。そして、2018年の1月には次の延長はどうするかという話を早速始めていました。ただ、この時点ではすぐにグリーンカード を申請するのではなく、現在のL-1を最後まで使って、その最後が切れる前にグリーンカード の申請をしようということに話が落ち着きました。なので、2018年9月にもう一度L-1の延長手続きをして、結果、L-1ステータスでいられる期限が2020年11月5日となりました。この11月5日は2018年9月に最後の延長申請をした際に出張や日本への一時帰国でアメリカを離れている日数を厳密に計算し、合計でのアメリカ国内の滞在期間がL-1での最長期間である7年になるように設定された日です。

このあたり自分の事情が、一般的に日本の会社から駐在という形でアメリカに来ている人と違うのは、今現在働いている方が本社側で、日本法人側に所属している状況でも完全にアメリカの組織の中に入ってしまっている点です。そのため、自分の場合は一定の期間が来たら誰かと交代する前提はなく、とりえずその組織の中でやっていけるのであれば会社側も継続して居させてくれる(はず)というポジションです。運が良いことにアメリカに来て最初の頃にどっぷりと関わったオーストラリアの大きな案件が入札で取れ、その立ち上げから担当することになったのと、自分が技術分野で担当した新技術が本格的にサービスでも導入されるフェイズに入ってきたという背景もあって、アメリカでの仕事を長く続けられるとてもラッキーな環境にありました。

2018年末から2019年のお正月にかけて、今のL-1が切れる2020年11月以降はどうしようかという話を家族の中でしました。居られるものならできるだけ長く居たいし、去年、会社はグリーンカードへ切り替えることを検討してもいいと言っていたし、という点から、結論としてグリーンカードの申請をしてほしいと正式に会社い意思を伝えることにしました。実際には上司にはもっと前に「今の仕事をもっと続けたい」という話はしていたので、最終確認の連絡という形です。

それを受けてなのか、既にHRの方で自分も次の作業リストに加えていたのかはわかりませんが、2019年の1月中旬に実際に書類作成と申請業務を代行してくれる法律事務所から、グリーンカード の最初のステップとなるPERMプロセスを始めるのでリストにあるドキュメントを送ってほしいという連絡がありました。その法律事務所はこれまでのビザ取得の際の書類作成もやってくれている法律事務所です。今回も、その会社でグリーンカードの申請手続きをやってもらうことになりました。

このPERMはProgram Electronic Review Management の略で、単語からはなんのことかよくわからないのですが、中身は雇用する側が、ある特定のポジションで外国人を就労させる許可をアメリカの労働省 (Department of Labor)から取得するプロセスです。個人に対する就労の許可ではなく、雇用者が外国人を就労させるポジションを認めてもらう手続きです。職種、必要な能力を示した上で、実際に求人をかけ、「求人したけれどもアメリカのCitizenや既に就労できる資格をもつ人の中には適した人がいなかった、なので新たに外国人を求人します」という論理で次の外国人個人への就労のためのグリーンカード申請というステップに進むものです。

PERMのために提出依頼のあった書類は全て1月末までに提出しました。が、そのあとHRや法律事務所からの連絡はしばらくなく、数ヶ月後にHRに問い合わせても、「あなたの場合はまだ時間があるから大丈夫」という、非常に大まかな回答がくるだけでした。

どうやら、このあたりで法律事務所とHRの間で協議したところ、自分はグリーンカード申請のカテゴリをPERMが必要なEB2 (Employee Based 2)ではなく、PERMをスキップできるEB1というカテゴリで申請しようと方針変更をしたようでした。PERMには4ヶ月から6ヶ月かかるということなので、それをスキップできれば全体にかかる時間は短くて済み、またやらなければならない作業、提出しなければならない書類も少なくすみます。

EB1というカテゴリは該当する資格が EB1-A: Alien of Extraordinary Ability、 EB1-B: Outstanding Researcher、 EB1-C: Multinational Executives and Managers という3つがあり、どうやらL-1 VISAでもL-1A (Manager) の場合はEB-1Cに該当ということでEB1で申請できるらしいのです。このあたり、後からこの作戦変更を聞いて自分なりに必死に調べたのですが、自分には一時期Sales Engineerの組織の中で自分の下にシンガポール、東京、韓国のSEがついていたことがあり、その経歴を使ってMultinational Managerとして申請しようということになったようでした。

実際のEB1でのグリーンカード申請の流れ、タイムラインは別の投稿に書きます。

実際にはまだ余裕があるとのんびり構えていたら、申請作業から申請のタイミングが、COVID-19での大騒ぎにぶつかってしまいました。それでも本来であれば十分に余裕があってL-1 VISAの期限前にまず繋ぎの就労許可 (EAD) が出るはずのスケジュールで申請をしたのですが、運悪く移民局のオフィスがクローズになったり、慢性的な遅延になり、途中いつ就労許可が出るかまったく見通しが立たないという状況に陥ってしまいました。結局、就労許可 (EAD) が出る前にL-1 VISAは切れ、2020年11月に入って「就労してはいけない」ということとなり、年内はほぼ有給消化、その後は約4ヶ月休職となりました。まさか合計で6ヶ月近くも仕事をしない期間が人生の中で発生するとは、自分でも驚きです。この間、何をしていたかも話のネタにどこかで書きたいと思います。