2013年に最初にL-1 Visaを取得してアメリカに来て、2015年に更新。その際の更新で社内におけるUSでの仕事のAssignmentは2018年末まで延長することになりました。そして、2018年の1月には次の延長はどうするかという話を早速始めていました。ただ、この時点ではすぐにグリーンカード を申請するのではなく、現在のL-1を最後まで使って、その最後が切れる前にグリーンカード の申請をしようということに話が落ち着きました。なので、2018年9月にもう一度L-1の延長手続きをして、結果、L-1ステータスでいられる期限が2020年11月5日となりました。この11月5日は2018年9月に最後の延長申請をした際に出張や日本への一時帰国でアメリカを離れている日数を厳密に計算し、合計でのアメリカ国内の滞在期間がL-1での最長期間である7年になるように設定された日です。
このあたり自分の事情が、一般的に日本の会社から駐在という形でアメリカに来ている人と違うのは、今現在働いている方が本社側で、日本法人側に所属している状況でも完全にアメリカの組織の中に入ってしまっている点です。そのため、自分の場合は一定の期間が来たら誰かと交代する前提はなく、とりえずその組織の中でやっていけるのであれば会社側も継続して居させてくれる(はず)というポジションです。運が良いことにアメリカに来て最初の頃にどっぷりと関わったオーストラリアの大きな案件が入札で取れ、その立ち上げから担当することになったのと、自分が技術分野で担当した新技術が本格的にサービスでも導入されるフェイズに入ってきたという背景もあって、アメリカでの仕事を長く続けられるとてもラッキーな環境にありました。
2018年末から2019年のお正月にかけて、今のL-1が切れる2020年11月以降はどうしようかという話を家族の中でしました。居られるものならできるだけ長く居たいし、去年、会社はグリーンカードへ切り替えることを検討してもいいと言っていたし、という点から、結論としてグリーンカードの申請をしてほしいと正式に会社い意思を伝えることにしました。実際には上司にはもっと前に「今の仕事をもっと続けたい」という話はしていたので、最終確認の連絡という形です。
それを受けてなのか、既にHRの方で自分も次の作業リストに加えていたのかはわかりませんが、2019年の1月中旬に実際に書類作成と申請業務を代行してくれる法律事務所から、グリーンカード の最初のステップとなるPERMプロセスを始めるのでリストにあるドキュメントを送ってほしいという連絡がありました。その法律事務所はこれまでのビザ取得の際の書類作成もやってくれている法律事務所です。今回も、その会社でグリーンカードの申請手続きをやってもらうことになりました。
このPERMはProgram Electronic Review Management の略で、単語からはなんのことかよくわからないのですが、中身は雇用する側が、ある特定のポジションで外国人を就労させる許可をアメリカの労働省 (Department of Labor)から取得するプロセスです。個人に対する就労の許可ではなく、雇用者が外国人を就労させるポジションを認めてもらう手続きです。職種、必要な能力を示した上で、実際に求人をかけ、「求人したけれどもアメリカのCitizenや既に就労できる資格をもつ人の中には適した人がいなかった、なので新たに外国人を求人します」という論理で次の外国人個人への就労のためのグリーンカード申請というステップに進むものです。
PERMのために提出依頼のあった書類は全て1月末までに提出しました。が、そのあとHRや法律事務所からの連絡はしばらくなく、数ヶ月後にHRに問い合わせても、「あなたの場合はまだ時間があるから大丈夫」という、非常に大まかな回答がくるだけでした。
どうやら、このあたりで法律事務所とHRの間で協議したところ、自分はグリーンカード申請のカテゴリをPERMが必要なEB2 (Employee Based 2)ではなく、PERMをスキップできるEB1というカテゴリで申請しようと方針変更をしたようでした。PERMには4ヶ月から6ヶ月かかるということなので、それをスキップできれば全体にかかる時間は短くて済み、またやらなければならない作業、提出しなければならない書類も少なくすみます。
EB1というカテゴリは該当する資格が EB1-A: Alien of Extraordinary Ability、 EB1-B: Outstanding Researcher、 EB1-C: Multinational Executives and Managers という3つがあり、どうやらL-1 VISAでもL-1A (Manager) の場合はEB-1Cに該当ということでEB1で申請できるらしいのです。このあたり、後からこの作戦変更を聞いて自分なりに必死に調べたのですが、自分には一時期Sales Engineerの組織の中で自分の下にシンガポール、東京、韓国のSEがついていたことがあり、その経歴を使ってMultinational Managerとして申請しようということになったようでした。
実際のEB1でのグリーンカード申請の流れ、タイムラインは別の投稿に書きます。
実際にはまだ余裕があるとのんびり構えていたら、申請作業から申請のタイミングが、COVID-19での大騒ぎにぶつかってしまいました。それでも本来であれば十分に余裕があってL-1 VISAの期限前にまず繋ぎの就労許可 (EAD) が出るはずのスケジュールで申請をしたのですが、運悪く移民局のオフィスがクローズになったり、慢性的な遅延になり、途中いつ就労許可が出るかまったく見通しが立たないという状況に陥ってしまいました。結局、就労許可 (EAD) が出る前にL-1 VISAは切れ、2020年11月に入って「就労してはいけない」ということとなり、年内はほぼ有給消化、その後は約4ヶ月休職となりました。まさか合計で6ヶ月近くも仕事をしない期間が人生の中で発生するとは、自分でも驚きです。この間、何をしていたかも話のネタにどこかで書きたいと思います。